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宝くじの税金事情 ~2019年末ジャンボは1等前後賞あわせて10億円~

「宝くじは最も効率の悪いギャンブルですよ」と、マネーセミナーで時々言っている私ですが、同じ事をネタにしている記事も多く出回っている中、多く人が周知のようです。とはいえ、大きな夢(のような当選金)を祈願して、今年もものすごい人の行列ができている、銀座のチャンスセンター。
さて、今週は宝くじの税金事情について探ってみたいと思います。

■当選金支払いは、収益の47%のみ
年々当選金の高額化が進んででいますが、2019年の年末ジャンボは1等が7億円、前後賞合わせると10億円という、昨年と同じくとんでもない当選額になっています。
それだけ多くの当選金、いったいどこから出ているか、お分かりですか?
もちろん宝くじの券を購入する際、皆さんが支払う1枚数百円のお金から、ねん出されています。

しかし、当選金に充てられているのは、このうちの約47%に過ぎません。当選に夢を託し、数百円から数万円、それ以上購入される方もいるでしょう、その購入金は、いったいどこに行ったのか、気になりますよね。
その答えですが、残り約53%の内訳は、次の通りです。(参考:公式宝くじHP)



公共事業充当金:38.2%
販売手数料:14.0%
広報費:1.3%

宝くじを購入してもらうために、テレビCMやポスターなどで広告を出すための広報費は、わずか1.3%に過ぎず、窓口で販売しているお姉さまたちのお給料も、全体収益の14%ほどから出ています。
当選金として支払う約47%の次に、巨額のお金の出口は、実は「公共事業」につかう費用として、全国の自治体に「税金」とおなじ意味合いで、交付されているのです。
この額が、約3,071億円で、全体の約38%を占めます。

■税金はすでに納付済み
「宝くじに税金はかかるのですか?」
この様な質問をたびたび耳にしますし、同じ類の質問はインターネットの質問サイトで、毎年のように上がっています。幸運にも、きっと高額当選をされた方が「脱税になったら嫌だな、どうしよう」と投稿したに違いないと、筆者は勝手に想像をしているのですが…。

さて、この質問の答えは、実はすでに回答済みのようなものです。
前項で「宝くじの収益金の出口」について、お話しましたね。当選金に充てられる額は、全体の約47%、次に多い約38%の収益は、「販売元の地方自治体へ納められる」のです。

これはいわば「税金」と同じもので、1つの商品に対する税率で言えば、トップの紙タバコ(約62.6%)、ガソリン(約38%)に続く、「ほとんど税金でもっていかれるモノ」の代表格なのです。つまり、すでに購入額には「税金が含まれている」のです。

ですので、宝くじの当選金に関しては、皆さんが所得税や住民税を払う事も、消費税を払う事もありません。

■共同購入の場合の注意点
宝くじは公式サイトで、共同購入が可能です。グループをつくり、購入金額に比例した分配金の払い出しを行うことで公平を保つことができます。
たとえば、グループ全体で100枚のくじを買い、自分は10枚分の代金を払ったとしたら、分配率は100分の10ですから10%です。10億円が当たったら1億円が受け取れるというわけです。



共同購入時にはいくつか注意点があります。まずは当選金の「受取り」についてです。前項までに、宝くじの当選金には税金がかからないことを説明しましたね。

しかしこの当選金は、「受取人」として受け取った本人にのみに有効ですので、たとえばその当選金を別の誰かに渡した場合は、税務署の判断で「贈与」と見なされ、贈与税の対象になることが考えられます。
サイト外で、購入時に契約書などを取り交わさずに購入金を出し合い、代表者が購入し、代表者が当選金を受け取ったのち、各人に分配した場合などが考えられます。

贈与税は受け取る側の計算で、年間基礎控除額110万円までは非課税ですが、110万円を超えた額から、金額に準じて控除額や税率が決められています。
仮に1000万円の当選金を、受取人を介して受け取った場合は、306万円の贈与税を納税しなければならないかもしれません。
(1000万円-110万円)-125万円×40%=306万円

購入金額と分配率がそぐわない場合もまた贈与税の対象になるかもしれません。
たとえば、購入額は全体の4分の1程度の額であるのに対して、配当金を2分の1程度受け取った場合は、差額の4分の1程度を贈与されたと解釈もできます。
課税対象かどうかは、最終的には税務署の判断になりますが、購入時に契約書を交わす、当選金の受取りは購入額に比例して行う、受取人は各人とする、などで、余計な税金を支払わなくて済むような工夫は必要でしょう。

宝くじには、購入金額の中にすでに税金が含まれていると、わかりましたね。
税金を既に含んだ収益の中から「払戻し」によって、当選金の支払をしているわけですから、受取りの際に税金が再度かけられるということもありません。
ただし、一度受取った当選金を、家族も含め他人に渡すと「贈与税」の対象になるかもしれませんので、ご注意を。

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