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格差社会の「女性」が、資産運用を始めるのは「脱依存」の第一歩

新年あけましておめでとうございます。

平成から令和へ時代が変わった、昨年2019年。この年はかつてないほど、「ジェンダー思想」が取り上げられた年ではなかったでしょうか。ハリウッドから始まったme too運動は、「女性」という意識を、強く感じ、振り返り、考えさせられたものです。

さて、年明け1回目は、いま世界で、そして日本で「女性」が置かれている環境を、確認してみたいと思います。

■ジェンダー・ギャップ指数(GGI)2018年、G7で最下位の日本
「男女格差」を、客観的にかつ総合的に示すのは、難しいものです。そこで、指数としていくつかの機関が、それぞれにまとめ上げている数値を見てみたいとおもいます。

・男女共同参画に関する国際的な指数

(内閣府 男女共同参画局HPより)


まず有名なものとして、ジェンダー不平等指数(GII)があります。これは国連開発計画(UNDP)が統計をとっています。リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、エンパワーメント、労働市場への参加の3つの側面における達成度の、女性と男性の間の不平等を映し出す指標です。

次にジェンダー・ギャップ指数(GGI)があります。こちらは経済・教育・保健・政治の各分野での、社会進出における男女間不平等を指数化したもので、世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表しています。

いずれにおいても日本は、公的機関・企業において女性の上級職や議席数が、極めて低いことで知られています。

■はっきりと見える「賃金格差」 階級を生む原因か
近年日本では、賃金推移は上昇傾向にあります。しかし、この5年間で全年齢の賃金推移が上昇したものの、男女間では、賃金差が常に女性が男性を下回っています。

・性、年齢階級別賃金の推移

(厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査 性・年齢階級別賃金の推移より)


さらに詳細に見ていきましょう。
下の図では男性の賃金を100とした場合の、女性の賃金差が年齢別にいくつかという数値で表されています。
最も「男女格差」が大きいのが、50~59歳の層です。女性の賃金平均が、男性の63.5%しかありません。

・性、年齢階級別賃金及び男女間賃金格差の推移

(厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査 性・年齢階級別賃金の推移より)


これらのポイントは、年々「賃金が向上していたとしても、男性より低いことには変わりがない」ということです。
毎年数値が入れ替わるような統計結果であれば、「階級」というインパクトの強い言葉を用いる必要までないのかもしれませんが、長期に渡って「変わらない」という事実があると、それはもう問題の背景に、個人の力だけでは及ばない何かが存在している、という事になります。

■貧困率の女性の割合は、離婚の要因が大きい
少し前のデータになりますが、こちらの数値も気になるものです。

・年齢階層(5歳刻み)別・男女別 貧困率 (2007年)

(平成23年男女共同参画会議 基本問題・影響調査専門調査会 資料より)


国民生活基礎調査(厚生労働省実施)における「貧困率」とは、等価可処分所得(いわゆる手取り収入)の中央値の、半分以下の人の割合をいいます。
ものすごく簡単に言うと、「手取り収入が、平均額のさらに半分の人の割合」が貧困率、というイメージです。

上の図でわかるとおり、20代を除いて女性の貧困率は、男性を上回っています。
さらに、貧困率の分布を見てみましょう。

・配偶関係別、男女別 貧困率

(平成23年男女共同参画会議 基本問題・影響調査専門調査会 資料より)


男性の貧困の場合は「未婚者」が多いのに対して、女性は「配偶者との離別・死別者」に多いことがわかります。「結婚」「出産」を期に、経済活動から距離が離れがちな女性ならでは、と想像できます。

■正しい投資の知識と活用で、経済的な自立を
では、日本において女性が、経済的に自立してゆくためには何が必要なのでしょうか。
数多くの個人面談をさせていただいてきた筆者が思うには、「経済的な収入源から、離れない」ことです。

簡単に言えば、「配偶者(多くは男性)がいるからといって、仕事を辞めないで」ということです。もちろん、「仕事」を「事業」、「運用」などに読み替えることもできます。
いずれにしても、自身の手腕を磨き続け、経済的評価を得られる「場所」を確保しておいてほしいのです。

働き方改革が進む一方で、女性自身から、「結婚してパートタイムの仕事に切り替えよう」、「出産育児で忙しくなるから、正社員では居られない」などの声を聞きます。
同じことをなぜ、男性の顧客から「ただの1回も」、筆者は聞いたことがないのでしょうか。

生物学的な違いから、例えば出産や月経など、常にアクティブに身動きがとれない要因は、確かに女性にはあります。逆に男性には、「男たるもの」という社会的重圧が、まだまだ世の中に残っているのも事実でしょう。

しかしながら、多くの女性の読者が読んでいただけるこのサイトで、あえて申し上げておきたいのは、女性自身の意識の改革もまた、必要であると言うことです。

女性だから、男性だからという過去の歴史が作り上げたバイアスで、自分の人生を誰かに依存していないだろうかと、考えてみて欲しいのです。

資産運用を始めることは、始めた今から経済的な意識の変化が生まれると同時に、数十年先のまだ見えない将来に、世帯や社会から切り離しても、一人の人間として、一人の女性としての自立を生み出すものになります。
資産運用は、単なる「お金を増やす」行為では終わらず、あなたの人生に、自信を持たせる強い味方になるでしょう。

皆さんにとって、素晴らしい2020年になりますように!

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