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女性目線で見た、つみたてNISAとiDeCoの活用方法

筆者、相談者の9割以上を女性が占めるのですが、彼女たちの多くが「名前や制度の存在は知っているけど、よく分からない」という、NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)の2つ。

今回は直近で改正の予定されているこれらの制度の「基礎」を、確認していきましょう。

■初心者であれば、NISAよりつみたてNISAがおススメ
まずNISA(ニーサ)ですが、簡単に言うと「株式投資などで得た利益について、非課税にしてあげるから、投資初心者の人は証券会社で口座を開いて、運用を始めてみてね」という制度です。
もともと年間120万円まで拠出できるNISA制度は、運用期間の短さと投資初心者が選ぶには多すぎる商品ラインナップの点から、「まったく投資をしたことがない=証券口座を持っていない」人が口座開設に至った数は、予想をかなり下回ったようです。

その背景から、年間拠出額は40万円と低く抑えられたものの、運用期間を長期に設定し、日本人の大好きな「お上のお墨付き商品」しか選択できない様に制度設計された「つみたてNISA」が、その後作られたという訳です。投資初心者が言う、「具体的な商品の選び方がわからない」というこの最も多い悩みを解決するのであれば、つみたてNISAの制度を利用するのは、まず「間違いはない」でしょう。

「間違いがない」というのは、「ベストである」というのとは異なりますが、個別銘柄を選ぶ必要のない投資信託で、かつ運用手数料である「信託報酬」が一定以下のものだけが、つみたてNISAとして認められているため、投資初心者が安心して購入できる制度と言えます。

■解約(売却)時期が自由なつみたてNISA、教育費準備に向いている
シングルマザーでもある筆者が、つみたてNISAの活用方法としておススメするのが、「子供の教育費」の運用です。筆者の相談者の多くが20代~40代前半の女性なのですが、これから子供を授かる事を希望している人が多い中、つみたてNISAの運用期間「最長20年」という時間が、教育費の支出ピーク時期とちょうど重なるからです。

NISAには、商品売却の時期や用途に制限がありませんから、予定より前倒しでお金が必要になった場合や、運用成果が上がり利益確定を希望する事があった場合、自由に自身のライフプランに合わせることができます。


(図:筆者作成)

■途中解約ができないiDeCo デメリットはメリットになりうる
つみたてNISAとよく比較される制度として、iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)がありますが、NISAとiDeCoはまったく異なる制度です。
NISAの目的が「投資初心者が運用を始めてもらいやすくするキッカケ」をつくるモノであるのに対して、iDeCoは「老後のための資産形成は、公的年金に頼らずに各自がやってね」制度です。

「その代わりに1年間に拠出した資金額全額分を、その年の所得から控除して、税金を減らしてあげるよ」というメリットがついているのです。将来ではなく、「今」の税金を減らしてくれる制度ですから、それなりに「縛り」もあります。

それが、「60歳まで引き出し不可」という、運用資産が長期間、口座で「ロック」されることです。しかしこのロックは、筆者は良い事だと考えます。

ライフプランニングで家計や運用計画をたてるものの、多くの家庭で予定通りには行かず、数年ごとには、再調整が必要になります。そんなとき、手をつけやすい資産は真っ先になくなってしまうものです。

■老後の長い女性、自身の名義で金融資産を持とう
本来金融資産は、流動性が高い事はメリットとなるのですが、多くの相談者を診てきた筆者は、感情心理が働く人間にとっては「いつでも動かす事ができる」メリットが、結果としてデメリットになる事の方が、が多いと感じます。ですので、絶対に手をつけない分野として、長期運用が前提のiDeCoに関しては、制度利用をしない手は無いと思います。

読者世代の女性は、「妻」「母」「娘」、または1人の自立した大人として、今後あらゆる面でお金が必要になることでしょう。子供の教育費が終わると同時に、親の介護費用問題が発生する、予期しなかった不妊治療や、転職、離婚、再婚と、なに一つ珍しくない、人生のターニングポイントのたびに、資金の必要性は出てくるものです。

そんな山谷を乗り越えて、自身の老後を迎えるとき、「自分名義」の金融資産は、大きな基盤になるはずです。絶対に取り崩さない、という金融資産は、ひとつは持っておくべきだと考えます。

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